第64回日本アレルギー学会学術大会 教育セミナー
乳児アトピー性皮膚炎の発症予防

開催日:
2015年5月28日
会場 :
グランドプリンスホテル新高輪
座長
斎藤 博久 先生(国立成育医療研究センター研究所 副所長)
松永 佳世子 先生(藤田保健衛生大学医学部皮膚科学講座 教授)

講演

大矢 幸弘 先生(国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科 医長)

乳児アトピー性皮膚炎は、重症度に比例して、食物アレルゲン感作が起きやすく、気管支喘息の発症リスク等アレルギーマーチの危険性が高まることが、近年多くのコホート研究から明らかとなりつつある。
これまで、アトピー性皮膚炎の予防に関しては様々な介入研究が行われてきた。アレルゲン感作を防止する観点から、食物やダニなどの腫瘍抗原を回避する対策が功を奏するのではと期待された時期もあるが、最近の研究では、否定的な結果が多い。また、欧州の田舎で育つ子どもにアトピーが少ないことから、暴露を受けるmicrobiomeの影響なども注目されている。表皮バリアの形成に影響するフィラグリン遺伝子の変異やエコロジカルスタディの結果などから、表皮バリア機能に着目した対策が試みられている。
英米のグループと筆者らのグループは、家族歴のあるハイリスク乳児に対して、新生児期からの保湿剤の塗布により、乳児アトピー性皮膚炎の発症が抑制されることを別々のランダム化比較試験によって同時に検証した。保湿剤によるスキンケアだけでは、必ずしも全ての乳児の発症を抑制できてはいなかったことや、いつまで続ければアレルギーマーチのリスクから解放されるのか、など残されたリサーチクエスチョンは多い。ただ、有意に発症率を低下させることが実証された対策のなかで、家庭で誰もが実際に実行できるものは他にはほとんどないことを考慮すると、アトピー性皮膚炎を克服する貴重な一歩を踏み出したとは言えるであろう。

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