第115回日本皮膚科学会総会 イブニングセミナー
皮膚バリア研究の最前線

開催日:
2016年6月4日
会場 :
国立京都国際会館


関連資料(PDF:431KB)

座長
宮地 良樹 先生(京都大名誉教授/滋賀県立成人病センター)

講演1
角層における天然保湿因子(NMF)産生機構の解明と皮膚バリア機能

片桐 千華(資生堂グローバルイノベーションセンター)

我々はこれまでにフィラグリンからNMFを産生する酵素としてブレオマイシン水解酵素(BH)を同定し、BH活性と遊離アミノ酸量、BH活性と経皮水分蒸散量(TEWL)に相関があること、BH活性は加齢した皮膚では低下していることを示してきた。また、BHの生合成発現は、炎症性のサイトカインによって強く抑制され、アトピー性皮膚炎(AD)患者では皮疹部のみならず無疹部においてもBH活性が極度に低下していることを見い出した。更にBH活性は明瞭な季節変動を示し、夏には低く、秋から冬にかけて高くなるが、中等症から重症のAD患者は年間を通じてBH活性が低いことを明らかにした。フィラグリンからNMFが産生される過程は、皮膚バリア機能にとって極めて重要な要素であり、この分野の研究の進展は、ドライスキンの改善やアトピー性皮膚炎の治療に新たな切り口を開くことにつながることが期待される。

講演2
皮膚免疫と表皮バリアのクロストーク

椛島 健治 先生(京都大学大学院医学研究科皮膚科学分野 教授)

従来、アトピー性皮膚炎の病因として、「免疫・アレルギーとバリア破壊のどちらが先か?」という「鶏と卵」のような議論がなされていました。事実、従来、皮膚免疫学者はT細胞やランゲルハンス細胞を始めとする樹状細胞などのいわゆる免疫細胞を対象に研究を行い、一方、表皮バリア関連の研究者は表皮の分化を対象に進めてきました。それ故、免疫学者とケラチノサイトの研究者はお互いが相容れない関係が続いたと言っても過言ではありません。ところが近年になり、フィラグリンの遺伝子異常がアトピー性皮膚炎の発症に繋がること、また、免疫異常そのものが表皮角化細胞の分化の異常をもたらすことなどが明らかになってきました。そこで本セミナーでは、皮膚免疫と表皮バリアの相互作用について触れ、アトピー性皮膚炎を始めとする炎症性皮膚疾患の発症機序について考えて見たいと思います。

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